カントラストが会社債権者整理法CCAA手続きを開始

03/31/2020
カントラスト(CannTrust, TSX: TRST、NYSE: CTST)は、オンタリオ州高等裁判所から、会社債権者整理法「CCAA」に基づく保護命令を取得したことを発表した。これによってカントラストに対しての集団訴訟およびその他の訴訟の原告は、請求権の行使を停止される。停止期間は10 日間だが、裁判所命令は延長される可能性がある。

カントラストの取締役会では、数多くの選択肢を検討した結果、ステークホルダーの信頼を回復し、患者さんや顧客に高品質で革新的な製品を提供するためには、CCAAを取得することが最善の利益になると判断したようだ。

当初の命令に従い、裁判所は訴訟などの手続き停止を認め、これによりカントラストは以下のことを行うことができる。
・カントラストが保有するヴォーンにある施設の修正計画を中断することなく完了させ、関連する証拠書類をカナダ保健省に提出すること。
・カナダ保健省と協力して、ナイアガラとヴォーン施設の大麻ライセンスを復活させ、操業を回復させることを視野に入れて、残りの大麻法遵守の問題を解決すること。
・複数の法域でカントラストに対して提起された複数の集団訴訟やその他の訴訟に対処するための手段として、CCAAの妥協案や取り決めを検討し、すべての請求や偶発的な請求を単一の法廷で解決すること。
・取締役会による戦略的代替案の検討(「戦略プロセス」)の完了を促進すること。

ニュースリリースでは、カントラストの経営陣および取締役会は、現金流動性を維持しつつ、経営を回復させ、直面している複数の訴訟やその他の偶発的な請求を解決しようと努力しているが、当社の将来は不確実なままだと述べている。

取り消されている大麻ライセンスの復活がなければ、カントラストは2019年6月以降続いているように、収益を生み出せない状態に変わりはない。
カントラストは、2019年3月31日に終了した3ヶ月間の中間未監査比較財務諸表を提出しておらず、2018年12月31日に終了した年度の財務諸表と合わせて、修正再提出の対象となっている。さらに、COVID-19パンデミックの影響は、すでに困難な状況をより悪化させている。

カントラストは、修正計画の実施と、複数法域での集団訴訟の弁護に多大な時間と費用を費やしている。しかしながら、カナダ保健省がカントラストの大麻ライセンスを復活させることや、訴訟が近いうちに解決されること、または事業を再開するのに十分な財源を確保できるような形で解決されるという保証はない。
2020年3月20日現在、現金残高は119.6億円(C$145M)だが、大麻ライセンスが復活しても、収益が出るまでに数ヶ月を要し、また事業収益性が回復するためには多額の運転資金が必要となる。そのため、今回のCCAA手続の結果が、株保有者に残存価値を提供するという保証はない。

トロント証券取引所TSX、およびニューヨーク証券取引所NYSEにおけるカントラストの普通株式の取引は停止されている。

Source;
https://canntrust.com/canntrust-obtains-initial-order-under-companies-creditors-arrangement-act-canada/


<<大好評発売中!!>>

「投資に役立つ!よくわかる大麻ビジネス」980円
カンナビストック・ジェーピー編集部 著

「ダメ!絶対!」が浸透している日本では考えられないことだが、アメリカ、カナダ、ヨーロッパで多くの企業がこの産業に参入し、彼らの多くはすでに大麻合法化へと向かう時代の流れを掴み、着々と事業を拡大している。
本書では、大麻ビジネスが世界でどのように展開されているのか、市場規模や各国の状況、そしてどのような産業や企業があるのかをざっと理解できるように構成している。
本書で取り上げた企業はほんの一部に過ぎないが、今後の大麻産業の流れを見る中でも押さえておきたい企業を取り上げた。
本サイトと合わせて読んでいただければ、「グリーンラッシュ」と呼ばれる大麻産業の”今”が理解できるでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です