07/05/2018
医療用、娯楽用に関わらずマリファナ利用が広がると懸念されているのがマリファナの影響があるままでの運転だ。
私の住むカリフォルニア州では運転手の血中アルコール濃度は0.08%までが認められている。マリファナに同様の規制はあるのだろうか?
アルコールの場合(実は風邪薬なども含めて)、DUI(Driving Under Influence)ということで運転手が何らかの薬物やアルコールでの影響下にあり、運転するに不適格と判断されるとDUIということで逮捕される。少し前にタイガー・ウッズが逮捕されたのはまさにこれであり、彼の場合もアルコールではなく痛み止めなどの薬の影響下での運転ということで逮捕されたのだ。
DUIを調べる手順は日本とほぼ同等と考えて良いだろう。直線をまっすぐ歩けるか?片足立ちができるか?ぐるっと回ってしっかりと立っていられるか?などが調べられる。これらに引っかかった場合、たとえ血中アルコール濃度が0.08%以下だとしても逮捕される可能性がある。
では、マリファナの場合はどうだろう?記事執筆時点での高確率な検出方法は尿検査か血液検査および唾液検査である。
アルコールとは代謝の方法が違い、THCの代謝物は脂肪に蓄積し数週間単位の長い時間をかけて排出されていく。このことは運転手をマリファナのDUI容疑で検挙・起訴するには非常にやっかいな問題である。その運転手が逮捕前2〜3時間前にマリファナを摂取したのかそれとも数日前や数週間前に摂取したかが明確にわからないのである。
この問題を解決するために現在3社が呼気からのTHC代謝物の検出方法を研究開発している。
Cannabix Technologies Incはフロリダ大学のヨーストリサーチグループと共同で呼気からのTHC検出器開発に取り組んでいる。Cannabix社はすでにフロリダ大学が持つ特許技術を利用した機器のプロトタイプ制作のステージにいると表明している。
Hound LabsはMike LynnがCEOを務めるカリフォルニアをベースにしている呼気検出器開発メーカーであり、彼らもまたプロトタイプをテスト中とのこと。彼らの検出器はアルコールとTHCを同時に検出できるデュアル検出器となるようだ。
コロラド所在のアルコールの呼気検出器メーカーLifeloc TechnologiesもTHCの検出器開発を行なっている。
そのほかワシントン州立大学でも研究プロジェクトが立ち上がっている。
1兆分の1グラムを検出できるような高性能な検出器が必要となるが、開発が成功すれば警察・司法機関や自治体などの公的機関、娯楽施設などへの導入が期待され、大きな市場が生まれることとなるだろう。