8/10/2020
垂直統合型大麻企業のティルレイ(Tilray Inc, Nasdaq:TLRY)が、2020年6月30日に終了した第2四半期(Q2)の決算を報告した。
最高経営責任者(CEO)ブレンダン・ケネディは、
「2020年に入ってから、私たちは、将来の成長と成功のためにティルレイを位置づけるために、大胆かつ重要な行動をとってきました。コスト削減、国際的な収益成長の推進、COVID-19関連の課題の解決、純損失と報告済みの調整後EBITDAの改善に注力してきました。本日の業績は、これらすべての分野で大きな進展があったことを示しています。」
「厳しい事業環境にもかかわらず、前年同期比で健全な収益成長を達成し、コスト構造とキャッシュバーンを大幅に削減し、2019年第1四半期と2020年第1四半期の両方と比較して、調整後のEBITDAと純損失を改善しました。第2四半期の国際医療事業の収益成長は特に励みになりました。国際医療事業の売上は現在、カナダ医療事業の収益を上回っており、今後の四半期にはこのセグメントの成長が他のセグメントを上回ると予想しています。」
「大幅なコスト削減とバランスシート対策を実施したことで、ティルレイ は2020年下半期に向けてより強固なポジションを確保し、すべての市場で収益性の高い成長を達成し、2020年第4四半期には損益分岐点またはプラスの調整後EBITDAを達成することができるようになりました」
と述べている。
<ハイライト>
・前年同期と比較すると売上は、10.0%増の55.4億円($50.4M)。成長は、マニトバハーベストのヘンプ製品売上の1.6%増加に加え、特に国際医療の継続的な改善から、大麻の売上高が16.2%増加したことによってもたらされた。
・売上は前期と比較すると3.2%の減少となった。これは、一般的な娯楽大麻の売上が15.8%の減少、カナダにおける医療大麻売上の5.3%の減少、および国際医療大麻の売上の43.2%の増加によって一部相殺されたヘンプの売上の5.1%の減少によってもたらされた。娯楽大麻とカナダの医療大麻の連続的な売上減少は、COVID-19の影響、特に3月のパントリーロード、オンタリオ州の店舗の一時閉鎖、各州の購買行動の変化、カーブサイドピックアップまたはデリバリーへのシフト、2020年第2四半期に追加された小売拠点の数が限られていたことが主な原因。
・大麻キログラム換算の総販売量は、2019年第2四半期の5,588キログラムから105%増の11,430キログラムとなった。この増加は主に、供給契約の終了に伴う1回限りのバルク取引によるもの。
・1グラム当たりの平均大麻純販売価格は、2019年第2四半期の4.61ドル(6.26カナダドル)、2020年第1四半期の5.28ドルに対し、2.64ドル(3.59カナダドル)に減少した。この減少は、供給契約の終了に伴う1回限りのバルク取引によるもの。この1回限りの取引を除くと、平均純販売価格は5.03ドルに上昇する。この増加は、国際医療用大麻の販売への継続的なシフトと、娯楽大麻市場における高付加で高価格の製品による。
・グラムあたりの平均大麻純コストは、2019年第2四半期の3.86ドル(5.24カナダドル)、2020年第1四半期の3.97ドル(5.39カナダドル)に比べ、2.06ドル(2.80カナダドル)に減少した。この減少は、供給契約の終了に伴う1回限りのバルク取引による。1回限りの取引を除くと、1グラムあたりの純コストは 3.42 ドルに減少する。前年同期比での減少は、主に、コスト削減努力による施設のコスト構造の縮小、ハイパーク・ホールディングスの加工施設におけるスループットの向上とコスト吸収の改善、および第三者から入手可能な低コスト製品の利用可能性による部分的な影響による。
・売上総利益率は、2019年第2四半期の27%、2020年第1四半期の21%から-10.7%に低下した。2020年第2四半期には、20.5億円($18.6M)の在庫評価減を実施した。
・在庫評価の調整を除いた売上総利益率でみると、2019年第2四半期の27%、2020年第1四半期の29%から26%に低下した。この減少は、インターナショナル・メディカルにおける低マージンでの導入出荷と、供給契約の終了に伴う1回限りのバルク取引による。
・在庫評価調整を除く大麻の粗利益率は、2019年第2四半期の14%、2020年第1四半期の20%から10%に低下した。
・在庫評価調整を除くヘンプの粗利益率は、2019年第2四半期の51%から50%に低下し、2020年第1四半期の41%からは上昇となった。売上総利益率が順次増加したのは、ティルレイの最大の顧客に提供している割引プログラムのタイミングによるところが大きい。
・純損失は、2019年第2四半期の純損失が-39.9億円(-$36.3M)、1株当たり(0.37ドル)であったのに対し、-49.4億円(-$45.4M)がさらにマイナスが膨らんで-89.9億円(-$81.7M, 1株0.66ドル)となった。純損失の増加は主に、在庫評価の調整-20.1億円(-$18.6M)、資産の減損費用-31.2億円(-$28.4M)、ワラント負債の公正価値の変動の影響-12.3億円(-$11.2M)によるものだが、カナダドル高による為替差益14.6億円($13.3M)で相殺された。
・Q2の調整後EBITDAの損失-13.5億円(-$12.3M)は、前年同期の損失-19.8億円(-$18M)を32%、前期の-20.6億円(-$18.7M)の損失と比較して34%上回った。調整後EBITDAの改善は、すべてのチャネルで収益が増加し、経費が削減されたことが主な要因。
・2020年第2四半期を150.9ク億円($137.2M)の現金および現金同等物で終了。既存の現金残高、バーンレートの縮小、およびATMの残りの275億円($250M)へのアクセスは、2020年の残りの期間および2021年に向けて、事業を管理し、計画を実行するのに十分な資本とアクセスを提供するものと考ているとのこと。
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