07/21/2018
着実な業界バーティカルの構築と積極的なM&Aで業界をリードするオーロラ(AURORA)第三四半期はどうたったのか?
業界のリーディングカンパニーの一つであるオーロラ(AURORA)の2018年Q3の報告書がUPされていたので内容を読んでみた。
また投資家用資料としてプレゼンテーション資料もUPされていたので合わせて読んでいこう。
<ハイライト>
2017年のAURORAはCANVAS RX、PEDANIOS,CANN Group Limitedの3つ事業活動から売り上げC$18.9M(約14億円)、登録済みおよび登録待機患者数は2万人だったが、2018年第3四半期時点で登録患者数は4万5千人強となっている。これは買収したCannMedの抱えていた2万人の患者数も含む数字となっている。
生産拠点Aurora SkyとLachuteでの生産は順調に進んでおり、これまでに2回の収穫を無事に終えている。また引き続き生産施設の新造もおこなっており、Aurora Sunは120万スクエアフィートを誇るハイテクハイブリッド型グリーンハウスをアルバータ州メディスンハットに建設しており、またデンマーク・オデンスにおいてもグリーンハウスを改造し2018年夏の収穫を目指している。
<市場規模>
オーロラの資料によると、カナダにおけるアダルトユース(娯楽用カンナビス利用)の市場規模は$9bn(9千億円)。これにその他関連事業のマーケットを足すと$23bn(2兆3千億円)。またこの他観光収入や税収入、ライセンスフィーなども加えるとそれ以上の市場になるポテンシャルがあるとのこと。
世界市場で見てみるとC$180bn(約13兆円超)になると予想されており、その消費量は年間1000万Kg以上となり、まだまだ供給不足な状態が続くことが予想されているとのこと。
<流通網>
・カナダ:9カ所で実施。またSAQ,Shoppers,PharmaChoiceなどの持つ流通網を利用しても販売も行なっていく。
・ブラジル:ICH-GMP認証取得によりカンナビスオイルの輸出が可能に。
・ドイツ:Cannamedical Pharmaと供給における契約締結。100%子会社のPEDANIOSを通じて卸、流通、販売が可能になり、患者へのコンサルティングサービスのCanavasRxモデルを利用することよって今後も成長が見込まれる。ドイツにおける最大のディストリビューターであるペダニオス(PEDANIOS)から人口約8千2百万人のドイツ国内での流通とドイツを玄関口として5億人の人口を誇るEU圏内へ販売網を広げていく予定。
・デンマーク:過半数を持つAurora Nordicは100万スクエアフィートの生産設備を建設中。また10万スクエアフィートの温室を改良中。
・EU:Cresco PharmaのLolをCMED medical Cannabis ブランドで市場投下。
・イタリア:PEDANIOSを通じてイタリア政府へ販売。すでに4月に初回の輸出は完了
・南アフリカ:Akula Trading 2 Partyへ供給契約締結。
・オーストラリア:ジョイントベンチャーのInidicaは生産製造のライセンスを取得。22.9%の利益分配率を持つCann GroupがCanniMedを通じて商業用カンナビスを出荷。
<設備投資>
オーロラは現在傘下のMEDRELEAF分も加えると11施設での生産を実施および予定しており、2019年末にはすべての施設がフル稼働する予定となっている。
<製品展開>
科学的実験に基づいた製品開発を主軸としており、医療関係者の支持がオーロラ製品の認知拡大とブランド醸成につながっている。
また、カンナビス製品のカプセル化やクリーム化などの新規製品開発から市場優位性のある知的財産を生み出し、医療市場だけでなく娯楽使用のマーケットでも優位性を獲得していくとしている。
<イノベーティブパートナーシップ>
オーロラは患者登録ポータルで技術を持つNamasteなど、イノベーティブな技術会社と積極的にパートナーシップを結んでいる。
こちらは上段は買収、下段はブランディングや戦略的投資のこれまでの経緯を表したスライドだ。
そしてこちらは設備開発から栽培、生産、流通、ブランディング、エンゲージメントまで含めたオーロラのバーティカル。
<売上>
2018年第3四半期の売上は前期より37.6%上昇のC$16.1M(約11億8千万円)、前年同期比では211%の成長となっている。
ファイナンス資料のFSを見てみると、売上C$16.1M(約11億8千万円)のところ売上利益はC$7.62M(約5億6千万円)、営業利益はマイナスC$31,8M(約23億2千万円)、税引前当期純利益はマイナスC$22M(約16億円)、包括利益はマイナスC$31.1M(約22億7千万円)となっている。
・一般管理費アドミン費が増えているーーー専門職の人件費はそれほど増えていないがオフィスとその維持費がC$4M(約2.9億円)と前期から20倍となっており、またそれにともなって給与、福利厚生費もC$4.3M(約3.1億円)と6倍強となっている。
・マーケ費用の増加 ーーーこれも業務拡大にともなってブランディング費用は前期から3倍、マーケ人件費も3倍ほど増えている。
・Share based Paymentsが昨季より7倍にもなっているが、これはストックオプション分や経営陣への報酬のようだ。
・有価証券等の含み損が前期より2倍強になっているがこれらはCann Group, CannMed, Micron, Radientの有価証券分となっている。
BSでは固定資産の中で他社への投資とのれん代に大きな金額を計上しているのが窺える。
キャッシュフロー計算書では財務CFのプラスで本業を補っている形となっている。
<まとめ>
資料の中では今後も引き続き生産施設の拡大からの生産量UPと種から製品、アフターセールスまでの事業バーティカルの構築によって今後も引き続き成長してくことが可能としている。