04/20/2020
大麻企業は今、以前の楽観的な業界予想の肥大したバリュエーションから一転し急速に縮小している。そしてCOVID-19の発生と世界的パンデミックは状況をさらに悪化させ、投資家は今、単に生き残るだけの企業を探しているようだ。
経済情報サイトのマーケットウォッチでは、2つの銘柄を挙げている。
キャノピー・グロース(Canopy Growth Corp, NYSE:CGC)とクロノス・グループ(Cronos Group Inc, NASDAQ:CRON)だ。
安全性の基準として現金保有と備蓄している大麻量を挙げており、その基準においてはいくつか他の企業も挙げている。
2018年にコンステレーション・ブランズ(Constellation Brands Inc, NSE:STZ)から4400億円もの投資を受けたキャノピーは、これまで拡大路線で設備投資やM&Aに多額の資金を投下してきたが、既報の通り、世界戦略を見直し、急速に事業を縮小化して、業務改革を行っている。
一方クロノス・グリープもタバコ会社のアルトリア(Altria Group Inc, NYSE:MO)からの投資を受け現在も1661億円相当の現金を保有している。
ただし、クロノスについては、市場シェアも大きくなく、目立った活動も少ないことを、投資家から突っ込まれることも多い。
米国では、連邦法で大麻自体が禁止されているため、資本へのアクセスは依然難しく、企業存続の可能性はさらに不透明だ。これは、大麻企業に対しては連邦政府からの救済資金がないことと、11の娯楽大麻合法州と33の医療大麻合法州での事業に限定されているためである。
企業においては、
「キャッシュ イズ キング」
の格言がある通り、現金保有が高い企業が生き残る可能性が高い。
マーケットウォッチでは、
グリーン・サム・インダストリーズ(Green Thumb Industries Inc, OTC:GTBIF)、
トゥルーリーブ・カンナビス(Trulieve Cannabis Corp, OTC:TCNNF) 、
キュラリーフ・ホールディングス(Curaleaf Holdings Inc, OTC:CURLF) 、
の3社を比較的強いバランスシートを持っているとして挙げている。
またこれまで以上に現金調達が難しくなり、特に小さい取引所に上場している企業は資金調達に苦しむだろうと予測している。
下記は、いくつかの大麻企業の財務指標グラフだ。
コロナ騒動が今後どのような影響を与えていくのか?注目していきたい。
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