Khiron Life Sciences Colombia

<コラム> 業態別に見る大麻産業 ①

02/16/2019
カルティベーター(Cultivator)栽培業

カルティベーターの仕事はずばり、大麻(カンナビス)を育てて、小売店に卸したり、エディブルなどを製造しているところへ乾燥花などを納入することだ。

業態はシンプルだが、現在卸価格の下落が続いており、カルティベーターにとっては厳しいビジネス環境である。厳しいビジネス環境の要因は、合法化によって参入障壁が低くなったことに伴う競合の増加とこれまで小売のみを行なっていた事業者が栽培まで手がけることが多くなったことも要因の一つである。
また、室内販売を行なっていた事業者にとって卸価格の下落は深刻で、今後大きな事業者は屋外温室(グリーンハウス)での栽培に切り替えてくることが予想されている。
今後はより大きな事業者による統廃合が進むと見られており、高品位なプロダクトを生産し続けるところが生き残って行くだろう。
メディカル・カンナビスを生産している事業者は卸価格が保全されていることも多く、事業は嗜好用カンナビスを育てているカルティベイターより安泰だが、メディカル分野に参入するには、クリアしなければならない基準も多く、資金力のある事業者でなければ参入できないだろう。
嗜好用カンナビスで先行したコロラド州やワシントン州では事業者同士の競争が激しく、コモディティ化が加速している。またオレゴンでは繊維やその他の全草利用を行うヘンプ産業への業態変化も見られるようになっている。
また、アメリカ最大のカンナビス市場であるカリフォルニア州においては、カルティベイターの数も多く、競争はますます厳しいものとなっていくと予想されている。

マリファナ・ビジネス・デイリーがまとめたところによると、一般的なカルティベイターの年間売上は約9千万円でオペレーションコストが約4千万円、開業コストが約1億3千万円と見積もっている。また室内栽培と温室、屋外とではそれぞれ1パウンドあたりの生産コストにも違いがあり、室内では約6.4万円/lb、温室は約5万円/lb、屋外は3万円/lbとなっている。
カンナビス・ベンチマークが行なった調査によると全米での1パウンドあたりの卸価格平均は1300ドル(約13万円)となっており、南米などの格安な卸価格と競争することになると今後さらなる下落が想定される。

ポイント:
・垂直統合型(タネから販売・サービスまで)の業態か
・安定した供給先・販売先を確保しているか
・kgあたりの生産コストに競争力があるか
・高品位な品種を育てているか
・メディカルか?嗜好用か?

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