-NCIA カンナビズサミット&エキスポ 2019 レポート-03

07/26/2019
ナショナル・カンナビス・インダストリー・アソシエーション(NCIA)が主催するカンナビス・ビジネス・サミット&エクスポ(Cannabis Business Summit & EXPO)が昨日7月22日よりサンノゼ・コンベンションセンターで3日間開催された。

期間中様々なテーマにそってカンファレンス・セッションが開かれているが、24日にはFDA(アメリカ食品薬品局)のヘンプとCBDのフレームワークに関するパネルディスカッション「A Look Into the Future: An FDA Regulatory Framework for Hemp/CBD」が開催された。
FDAは今年4月、専門家や研究者、業界関係者に対して、CBDに関しての膨大な質問票に回答するように求め、回答は60ページにも上るものになった。
今回モデレータを務めたのはNCIAのパブリックポリシー・ディレクターであるアンドリュー・クラインで、FDAが5月に開催した公聴会で証言に立った人物だ。パネリストたちもFDAに向けてのパブリックコメント作成に携わった以下の人物で構成されていた。

モデレーター:アンドリュー・クライン(Andrew Kline, Director of Public Policy, National Cannabis Industry Association)

パネリスト:
ヴァネッサ・マルケス(Vanessa Marquez, Founder and CEO, CBD Care Garden)
エレーナ・ロドリゲス(Alena Rodriguez, Managing Director, Rm3 Labs)
エドアルド・プロヴェンシオ(Eduardo Provencio, General Counsel, Mary’s Medicinals LLC)
ポール・ムチョスキー博士(Dr. Paul Muchowski, CEO & CSO, Defined Concentrates)

パネルトークの目的とされたのが以下の3つ。

1.FDAがCBD/HEMPのどこに興味を持っているかを学ぶこと。

2.FDAから挙げられた詳細な質問に関して、我々業界団体はどのように返信・反応したか?

3.FDAが今後CBD/HEMPに関してどのように規制してくるかを予想すること、そしてそれが業界にどのような意味を持つかを知ること。

まず最初に、コロラドでCBDマッサージの事業展開を行なっているヴァネッサ・マルケスが、FDAがCBD/HEMPの何に興味を持っているかを説明した。
彼女によると、昨年7月、GWファーマのCBD製剤エピディオレックスが、てんかんのドラベ症候群用としてFDAから承認された際、CBDが薬効のある有効成分であると判明したために、CBDはFDAの管轄範囲として規制せざるを得ない状況となった。この時点でCBDは薬効成分であると同時に、一般的な植物由来の安全な食品であるという状況が生まれてしまった。そのため、FDAは健康安全面でのリスクを調査しなければならなくなった。それは摂取量だったり、摂取方法だったり、製造過程での安全性、品質の均一化だったり。また製品ラベルやそのマーケティング手法にも調査を行う必要がでてきたのだという。

FDAも最重要に掲げる公衆の健康安全面について、ディファインド・コンセントレーツのポール・ムチョスキー博士は、次のような項目を挙げている。

・FDAが大変気を遣っている公衆安全というものを守ることは、NCIAとしてもこの業界がしっかりしたものとなるには第一優先である。

・カンナビス、CBDの研究は始まったばかりと言って良く、成長期の子供が摂取した場合に長期的みてどのような影響が出るかなどはまだわかっていない。

・CBDの安全性を図るためのデータを集めるシステムを現状持っていない。

・NCIAなどはそういったシステムを作るべきで、農薬などの残留量などの規制を作る必要がある。

・摂取量についても、まだまだ安全量というのがわかっていないために、例えばてんかん向けの薬としてどれくらい高含有量が良くて、サプリならどれくらいの含有量が良いかなどが決められていない。

製造や品質管理に関しては、Rm3ラボのエレーナ・ロドリゲス女史が、FDAからの質問とその回答に関して説明を行なった。

1.製造処理過程、保管過程において安全性の基準はどうなっているか?
・他の業界、特に化学薬品業界が持っているような安全基準や危険物取扱の基準を用いること。
・業界や働く人への教育やガイダンスを施し、職務安全規定を定めたり、GMP(good manufacturing practice)を遂行すること。

2.製造過程の安全性や、品質保持を担保するための仕組みや基準、評価の仕組みはどうなっているか?
・多くの企業がそれぞれの安全基準で運営されているが、どのようにすれば安全性を担保できるか、警告システムやリコールの仕組み作りが必要で、製造過程それぞれでの品質検査はもちろん、最終製品の品質検査のシステムが必要。

3.安全に継続して製造するための分析テスト方法はどのようなものか?
・テストプログラムは必要であり、一つで全部を検査するような基準を作るべき。

4.カンナビス製品に含まれる内容物の定義方法は?何が定義されなければならないか?そしてその定義はどのようなものか?
・アマゾンなどでヘンプオイルが売られているが、一般消費者がそれをCBDオイルと勘違いしている場合もある。現在、アイソレートやワックスなど、いろんな言葉や定義が飛び交っているが、それらをまとめたターミノロジーを作成するべき。

5.CBDなどカンナビス由来の成分を食品に入れる機能的な製造者の目的は何ですか?消費者はどのように認識していますか?また、その目的や認識されている効果を裏付ける証拠は何ですか?
・これは非常に答えるのが難しい質問で、色々考えていく中で「じゃあ、同じ食品に含まれるカフェインの定義って何だろう?」と思い調べてみたら”miscellaneous”「雑多な、色々な」という定義が出てきましたが、全く役に立ちませんよね(笑)。そこで、CBDはどのように効いているのかを調べるために、色々な研究報告を読んでみても、それをまとめることは非常に難しいのです。実は、人参にしてもキャベツにしても分子レベルではエンドカンナビノイドシステムに作用していることもあるからです。

次にメリーズ・メディシナルズを運営するエドアルド・プロヴェンシオがパッケージやウェブなどのマーケティングや表記方法に関してFDAの方針とその対策を説明した。
彼によると、FDAは安全か安全でないかはもちろん最重要だが、それ以外にもパッケージやウェブに表示されている情報が正しいかどうか?も非常に重要視しているとのこと。
日本の薬事法と同様に、効果効能の主張ができないのは当然のことながら、効果効能の主張ができないのに、その製品を手に取った患者たちが代替薬としてCBDを使ってしまう可能性があり、それをFDAは無くしたいと考えているとのこと。
また、具体的な例として、よくある使用者の感想も効果効能を訴えているとFDAからは見られてしまうとのこと。
ちょうどこのカンファレンスの直前に、大麻企業大手のキュラリーフに対してFDAが警告を出したのだが、どういった点が注意すべき点なのかを勉強する良い事例であり、ここから学ぶことは多いとエドアルドは集まった参加者に述べていた。
また、ウェブなどでよくあるビフォーアフターを載せる場合も、第三者の認証(研究期間や大学医学部など)が必要になるとのこと。

現在、日本でもCBD製品が市場に溢れている現状があり、今後何らかの規制が行われる可能性がある。その時に先立って対策を打つためにも、今後のFDAとNCIAのような業界団体の動きには注目しておく必要があるだろう。

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