07/21/2020
ナスダックに上場している垂直統合型大麻企業のオルガニグラム(Organigram Holdings Inc, NASDAQ:OGI)は、2020年5月31日に締めた第3四半期(Q3)の決算を発表した。
<ハイライト>
・2020年第3四半期の売上は、前年同期の20.5億円(C$24.8M)に対し、14.9億円(C$18M)となったが、これは主に以下の理由によるものである。
- 乾燥大麻花の販売量の減少と平均純販売価格の低下は、競争の激化に牽引され、2020年第3四半期に娯楽大麻市場の大判ドライフラワーバリューセグメントが成長したことや、COVID-19からの人員削減や包装材料や設備の早期の遅延などにより、Organigramの大判バリュー製品の立ち上げに遅れが生じたことによる。
- また、消費者嗜好の継続的な変化に伴い、動きの鈍い経年製品の返品および価格調整のための引当金2.5億円(C$3M)をQ3で引き当てた。
・前年同期の売上原価が10.3億円(C$12.5M)であったのに対し、2020年第3四半期の売上原価は36.6億円(C$44.4M)となった。
・2020年第3四半期の売上原価の増加は、主に以下の要因によるものである。
- 過剰在庫・売れ残り在庫の評価減15.9億円(C$19.3M)、そのうち9.8億円(C$11.9M)は過剰なトリムと大麻濃縮物に関連していた。
- 価格下落を反映した正味実現可能価額への在庫評価減2.2億円(C$2.7M)。
- COVID-19による労働力の減少に関連した費用6.5億円(C$7.9M)は、工場の淘汰による費用4.1(C$5M)、生産量の減少に伴う未吸収の固定費1.7億円(C$2M)、一時的に解雇された労働者に支払われた一時金の支払いに関連した費用0.7億円(C$0.9M)で構成されている。
・生物学的資産および売却した棚卸資産の公正価値変動前の粗利益
- 2020年第3四半期の生物学的資産および棚卸資産の公正価値変動前の粗利益は、2019年第3四半期の-10.1億円(-C$12.3M)のプラスに対して、-21.8億円(-C$26.4M)のマイナスとなった。
- 2020年第3四半期のマイナスで低い粗利益率は、上述のように純収益の減少と売上原価の増加によるところが大きい。
・粗利益率
- 2019年第3四半期のマイナスの売上総利益率が-0.1億円(-C$0.2M)であったのに対し、2020年第3四半期の売上総利益は、-41.4億円(-C$50.2M)であったが、これは主に、上述のように売却した生物学的資産および棚卸資産の公正価値変動前の売上総利益がマイナスであったこと、および売却した生物学的資産および棚卸資産の現金支出を伴わない公正価値のマイナスの正味変動額が、2019年第3四半期の10.3億円(C$12.5M)に対し、2020年第3四半期に19.7億円(C$23.9M)と大きくなったことによるものである。
・販売管理費
- 2020年第3四半期の販管費は8.5億円(C$10.3M)で、2019年第3四半期の7.5億円(C$9.1M)とそれほど増減なかった。カナダの大麻2.0製品の継続的な発売に向けた事業の規模拡大を継続したことによる費用の増加は、当四半期のCOVID-19期間中に支出が減少したことで相殺された。
・調整後EBITDA
- 2019年第3四半期の調整済みEBITDAが-6.4億円(-C$7.7M)であったのに対し、2020年第3四半期のマイナスの調整済みEBITDAは-20.4億円(-C$24.7M)。
- 2020年第3四半期のマイナスの調整済みEBITDAは、上述の通り、2020年第3四半期に売却した生物学的資産および棚卸資産の公正価値調整前の粗利益率が低下したことが大きく影響した。
・純損失
- 2020年第3四半期の純損失は、2019年第3四半期の純損失が-8.4億円(-C$10.2M、1株当たり-C$0.07)であったのに対し、-74.2億円(-C$89.9M、1株あたり-C$0.51ドル)となった。これは主に上述の通り2020年第3四半期にマイナスの粗利益率が拡大したこと、および2020年第3四半期には31.1億円(C$37.7Mの有形固定資産の減損費用が発生したことによる。
CEOのグレッグ・エンゲルは
“世界的なパンデミックの発症以来、当社の優先事項は従業員の健康と安全を守ることでした。
この優先事項により、従業員が大幅に削減されたため、最初の大規模なフォーマットの価値提供を含め、多くの製品発売の遅れの原因となり、レクリエーション市場の最大の製品セグメントであるドライフラワーで大きな市場シェアと売上を獲得する機会に影響を与えました。
それ以来、当社は多くの新製品やラインアップを発売してきましたが、今後もさらに多くの製品を発売していく予定です。さらに、従業員の規模を適正化したと考えており、それ以前にも、株主に魅力的な投資収益を提供する事業の構築に引き続き注力しているため、2020年第3四半期には事業からプラスのキャッシュフローを生み出すことができました」
と述べている。
Source;
https://investors.organigram.ca/press-releases/organigram-reports-third-quarter-fiscal-2020-results
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「ダメ!絶対!」が浸透している日本では考えられないことだが、アメリカ、カナダ、ヨーロッパで多くの企業がこの産業に参入し、彼らの多くはすでに大麻合法化へと向かう時代の流れを掴み、着々と事業を拡大している。
本書では、大麻ビジネスが世界でどのように展開されているのか、市場規模や各国の状況、そしてどのような産業や企業があるのかをざっと理解できるように構成している。
本書で取り上げた企業はほんの一部に過ぎないが、今後の大麻産業の流れを見る中でも押さえておきたい企業を取り上げた。
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