04/18/2019
カナダを拠点とする垂直統合型大麻企業のキャノピー・グロース(Canopy Growth Corporation, TSX:WEED, NYSE:CGC)と、アメリカを拠点にするアクレージ・ホールディングス(Acreage Holdings, Inc, CSE:ACGR.U, OTC: ACRGF)は、来たるべきアメリカの連邦レベルでの大麻合法化に向けて、アクレージの全株式をキャノピー・グロースが買い取ることで合意に至った。今後両者の株主承認やブリティッシュコロンビアの最高裁判所判断などがあって成立する模様。
株主承認と裁判所判断で承認が下りた際には、アクレージは330億円を受け取る(現在発行済アクレージ1株当たりUS$2.55)。また、加えて、アクレージの株主はキャノピー・グロースの株式0.5818株が割り当てられる。権利行使時にキャノピー・グロースより支払われる対価の合計は、完全希薄化ベースで約3700億円(US$3.4B)となり、30日後の加重劣後議決権付き株式の加重平均価格に対して41.7%のプレミアムとなる(4/16時点で計算)。
また今回の合併吸収によってキャノピーの持つTweedブランドやTOKYO SMOKEブランドの製品や知的財産をアクレージも利用できるようになる。吸収合併が完成すると世界でも最大級のカンナビス企業が誕生することになるが、それまではそれぞれの企業が独立して経営される。
キャノピー・グロースのブルース・リントンCEOは、
「本日、内容は複雑ですが単純明確な目的を持つ会社統合の発表に至りました。我々はアメリカ連邦レベルでの大麻合法化を睨み、アメリカ市場への足がかりとしてアクレージ・ホールディングスの吸収合併となりました。アクレージの持つ経営陣のノウハウ、ライセンス、資産と我々が持つIP(知的財産)やブランドを組み合わせれば両社にとってこれまでにないバリュー創造が可能になるでしょう。」
と述べている。
アクレージ・ホールディングスのケビン・マーフィーCEOは、
「キャノピー・グロースの持つ広大なリソースにアクセスすることによって、我々のアメリカでのブランド構築や流通に多大なる貢献をもたらすことでしょう。しかしながら同時に、規模の拡大に必要な膨大な資金調達を含め、複数州で運営する大麻事業者がその潜在能力を最大限に引き出すことは非常に困難なことです。私たち取締役会、経営陣は、株主の皆様に大幅に増加した流動性を提供することで、継続的な成長を実現し、さらにマーケットで強いポジションを確立できることを嬉しく思います。」
と述べている。
ちなみに、3月末時点での四半期売上ランキングで、キャノピー・グロースは1位、アクレージ・ホールディングスは15位。
Source;
https://www.canopygrowth.com/investors/news-releases/canopy-growth-announces-plan-to-acquire-acreage-holdings/
http://investors.acreageholdings.com/file/Index?KeyFile=397571916
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